ヨーロッパ角膜学会印象記
学会でフランスはパリに行って来ました。
ヨーロッパ角膜学会(EuCornea)です。
昨年はウィーンだったんですが、今年はパリ、来年はアムステルダムだそうです。
それとくっついて、ヨーロッパ屈折矯正学会というのもあるんですが、屈折矯正学会の方がだいぶん規模が大きく、5日間に渡って行われます。角膜学会の方は、2日間で1日早く始まります。そして、2日目が屈折矯正学会の1日目と重なっているというわけです。会場はほとんど同じ建物の中なので、2日目にはジョイントセッションも行われます。
私は、以前は屈折矯正学会の方によく行っていました。こちらは、白内障手術やレーシックなどの屈折矯正手術、そして角膜手術に関する話題も盛り込まれています。
でも、私はどちらかというと角膜手術の方が先端のことに興味があるので、ある年、角膜学会の方に出てみたら、そちらの方が自分の聞きたい話題がギュッと詰まっていることに気づき、また、1日早く始まるためホテルも街も会場の受付も空いていることに気づいて、それからは角膜学会の方にばかり出るようになりました。
学会は、すごく目新しいと思うことはなかった気がしますが、いくつか面白い話題もありました。
私が1つ、興味を惹かれたのは、円錐角膜の遺伝子診断について。
円錐角膜は、原因遺伝子が特定されてないはずですが、比較的強く関連すると言われている遺伝子がいくつかあって、頬の粘膜を少し採取して送ると、そういう遺伝子の異常がないかどうか調べてくれるサービス(当然有料)がもう商業ベースになってるようです。もちろん本社はアメリカかどこかにあるようです。
それだけで100%の診断は無理だと思いますが、参考にはなるかもしれませんね。
ただし、国内で気軽に使えるようになるかどうかは、まだわかりません。
もう少し調べてみなくては。
アメリカの学会は、FDAの縛りがきついので、あまりすごく奇をてらったようなものは出てこないらしいですが、ヨーロッパはアメリカのように規制が厳しくないし、国もたくさんあるせいか、ヨーロッパの学会は結構思い切った斬新なものが出てくる傾向があります。
だから、次に来るものは何かな? と見に行く分には、ヨーロッパの学会の方が断然面白いです。
でも、
へえぇ、こんな凄いもんが出てくるのか?!
というアイデアは、数年すると消えてしまっていたりして、
あれはやっぱりうまく行かなかったのか・・・・
と思うこともよくあります。
それでも、学会にできるだけ行くようにしているのは、やはりそういう新しいものを見たり、世界のトレンドを知ったりするのが面白いから、ですね。
さて、今回、学会より衝撃的だったことは、着いた翌日、つまり学会1日目にパリで大規模ストライキがあったことです。
電車、バス、メトロ等ほとんど全ての公共交通機関がストップしていたらしいです。タクシーも予約できないし、会場までどうやって行こうかな、という状態でした。
泊まっていたホテルは会場から4〜5km離れていたので、まあ、歩けなくもないかな、と思って出発したところ、本数を大幅に減らして運行していたバスが来たので乗り込みましたが、東京のラッシュ時のようにぎゅうぎゅう詰めでした。
ま、私たちは慣れてるからいいけどね )^o^(
ヨーロッパの人には、あの密度は辛かったんじゃないでしょうか。
でも、その程度で済んでたのは、やはり人口密度が東京よりは大分低いんだろうな。東京だったら、ちょっと台風や雪で電車が止まっただけで、駅から人が溢れて大騒動になりますからね。
道路の渋滞はひどくて、でも、その間をぬって自転車やら電動スクーターで移動する人もたくさん。そういうところは、ちょっと余裕を感じるというか、いいなあ、と思いますが、でも危なくないのかな? 自分だったら転びそうで怖いな、と思いました。
夕方になっても、交通機関は動かず、でも、帰りはタクシーを捕まえて街中まで戻って来ました。で、その辺を少しブラブラ歩いて、夜は別の会場でセミナーがあったので、そこまでは徒歩。
1日目の歩数は2万歩近く行ってました。