医療費を一番下げられるのは予防や早期治療

だいぶん春めいてきました。

が、世の中は、新型コロナの流行でなんだか大変なことになって来たようです。ウイルス自体は、エボラ出血熱やSARSのように致死率が高いわけではないものの、ヨーロッパもアメリカも外出自粛になる国が次々出て来て、経済活動が縮小するのが心配です。

世界情勢とか経済の専門家じゃないので、どうなるとかは解説できないけど、なんとなくグローバルに経済が悪くなりそうだな、と言うのは素人でもひしひし感じてしまいます。

自分に関係あるところで考えると、医療はこれからどうなるんだろう? 

もともと日本の保険医療は早晩崩壊するって言われてて、混合診療をうまく入れていくしかないんじゃないか、と思ってましたが、景気が悪くなってしまったら、自費診療を受ける人は減るでしょう。

前のリーマンショックの時も、自費でレーシックを受ける人が激減しました。

白内障手術は、この3月末で多焦点レンズ(遠近両用の眼内レンズのことです)の先進医療が終了して、選定医療(平たく言うと混合医療みたいもの)になる予定ですが、それも影響受けそうだな、と思います。

かと言って保険医療が安泰か?と言うと、そもそも保険医療は税金で成り立ってるので、そうでなくても早晩危ないって言われているのに、経済が悪くなったらさらに財源がなくなるのでは? 

そしたら、一体どうなるの? 病気になっても直せない?! お金がないから、と治療拒否する患者さんが出て来たりしそう。

と考えていて、大事なことに気づいた!

病気の多くはすごく軽いうちに治療開始したほうが、トータルのダメージは低いんです。

もっと言えば、一番いいのは予防です。

糖尿病だって、軽いうちに見つけて全身のコントロールをしっかりしておけば、網膜症になって眼底出血したり、それが元で緑内障になったりして、何度も手術しなくて済みます。腎臓が悪くなって透析になったりする人も減るでしょう。

高血圧とか高脂血症などの成人病も、放置して脳梗塞とか心臓にトラブルが起きてからでは治療も大変だし生活に制限も出るけど、早めに見つけて治療しておけば、そこまで悪くなる前に防げることも大いにあります。

さらに言えば、そう言うリスク因子の高い人は、若いうちから生活習慣を整えることで発症せずに済むことだってあるでしょう。

目の病気で言えば、白内障を治すことで視力が上がると、身体を動かすことも増えて健康になるし、仕事を続けることができて経済活動にも貢献できます。白内障も最近は、技術の進歩ですごく成績が良くなって合併症も減ったので、あまり不自由が出てしまう前に良いタイミングで治療すれば、生活への影響は最小限で済みます。

緑内障も、早期発見早期治療開始で、失明を明らかに減らすことができます。

もちろん円錐角膜も!(下記参照)

ごくわずかな例をあげましたが、これらの病気は明らかに予防か早期治療の方が、重症になってから大変な手術や治療を受けるより、あらゆる意味で良いわけです。コストの面でも、クオリティオブライフの面でも。

全部の病気が予防できるわけじゃないですが、生活習慣を整えたり検診を受けることで、多くの人が治療のコストを大幅に削減できて、さらに、機能の損失や生活の制限を小さくできて、ハッピーに人生を送れるのではないでしょうか。

となると、これからさらに力を入れるべきは、健康への意識を上げて生活習慣を改善し、予防、早期診断・早期治療することですよね。

もちろん偉い人、先見の明のある人は、とっくに気づいて啓蒙活動も大いにされてるし、気軽に受けられる検診もいろいろ出て来ているわけですが、昨日の首相会見やらニュースを見ているうちに、これからの時代は、さらに重要性が上がりそうだな、となんだか改めて強く思いました。

学校教育とかでももっと取り上げたらいいのにな〜。

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