中学生が訪問してくれました
先日、ある地方の中学生が、円錐角膜の勉強のために、南青山アイクリニックと東京歯科大学市川総合病院を訪問してくれました。
午前中の市川総合病院の方は、眼科のドクターやアイバンクのコーディネーターが対応してくれました。ちょうど角膜移植用の角膜が届いて、ご本人も付き添いの先生もすごく印象深かったということでした。
南青山アイクリニックには午後に来てくれて、お昼休みの患者さんがまだいない時間帯に院内を一通り見学していただいた後は、別室でいろんなお話を聞いたり、質問に答えたりしました。
曰く、彼は以前に「円錐角膜の疑い」と眼科で言われたことがあり、その際に親御さんがとても心配していろいろ情報を調べ、私の著書も読んでくれたそうです。結局円錐角膜ではなかったそうですが、それがきっかけで「どんな病気なんだろう?」と興味を持ってくれたそうです。
https://www.lifescience.co.jp/shop2/index_0185.html
いろいろ話をしましたが、よく下準備をしてきてくれて、円錐角膜研究会の動画などもしっかりみてきてくれました。
https://www.youtube.com/watch?v=aDSnRRjrU2E
彼からの提言として、
世界円錐角膜の日の紫(パープル)ライトアップ運動をしているようだが、実施している病院が少ない。
ポスターだけでは症状を理解しにくい。
学校の養護教諭に円錐角膜の情報を届けては?
中学生向けのポスターやリーフレットを作っては?
眼科の定期検診を勧めるのは?
円錐角膜の”見えにくさ”を疑似体験できるゴーグルやVRを活用しては?
学校の授業や啓発イベントで体験してもらっては?
中高生にも伝わるように、SNSや動画を使ってもっとわかりやすく発信しては?
などなど、いろいろ意見をあげてくれました。もちろん我々がすでに取り組んでいる、または取り組みたいと思っていることも含まれていますが、そうやって提言してくれるのは嬉しいことです。こちらからだけだと、どうしても専門家目線になるので、若い世代がどんなものを見て、何が響くのかを教えてもらえるのはとてもありがたいです。我々医療従事者、患者さんの他に、患者さんではない一般の方(学生さんを含む)に興味を持っていただいた一コマだったと感じました。
そして、ぜひ全国の中学校・高校などでも、ライトアップ運動に協力してくれたら嬉しいですね。

2024年のパープルライトアップ運動のポスター
それにしても驚いたのは、最近の中学生はしっかりしていますね。自分が中学生だった頃のことを思い出すと、とてもこんなふうにはできなかっただろうな、と思いました。彼の学校では、自由研究のように自分が興味を持ったことを在学中のかなり長い期間をかけて調べるようなシステムがあるそうです。個別に指導する担任の先生は大変だろうと思いますが、子供の考える力や調べる力はすごく伸びるでしょうね。

先進的な技術があれば治るをモットーに、円錐角膜治療で進行を止めるための角膜クロスリンキングを日本で初めて導入した実績があり、国内の角膜クロスリンキング手術を牽引しています。また新しい角膜内皮移植DMEKの執刀ができる数少ないドクターの一人です。