クラウドファンディング、残り3週間です
7月に入り、猛暑が続いていますね。
さて、先日お知らせしたように、一般社団法人 円錐角膜支援の会としてクラウドファンディングを行なっています。
7月末日までなので、あと3週間です。
すでに多くの方のご支援をいただいて、ファーストゴールだった500万円は突破しましたが、ネクストゴールの2,000万円まではまだ遠い状態です。
私たちがこの活動を始めたのは、円錐角膜の進行を止める治療である角膜クロスリンキングが日本では保険収載される見込みがなかなか立たないからです。
円錐角膜の治療法は20年ほど前までは”ハードコンタクトレンズをして、どうしてもそれができなくなったら角膜移植”しかありませんでした。2003年に角膜クロスリンキングが登場して円錐角膜の進行を止めることができるようになりました。
本来、円錐角膜は病気なのですから、世界に誇る国民皆保険を持つ日本では治療費の7〜10割は健康保険によって賄われても良いはずです。ところが、新しい治療が保険収載されるまでには多くの条件が必要です。そのうちの一つの大きな条件として”書類審査が通っても、その後に国内で製造販売を請け負ってくれるメーカーが必要”というものがあります。つまり、理論だけではダメで、ちゃんとしたメーカーに治療に使用する薬剤や器械の製造と販売をしてもらってください、ということです。メーカーは自社の製品を使った治療が、有効かつ安全に行われますよ、という根拠を示されないといけません。そのためには臨床試験といって、何人かの患者さんに該当の治療を行ったデータを取って問題がないことを確認し、提出しないといけないのです。ところが、この臨床試験にはとても大きなお金がかかります。
一方、円錐角膜は、白内障や緑内障やドライアイなどのように罹患人数(病気を患っている方の数)が多くなく、しか角膜クロスリンキングは1眼につき大抵は生涯に1度だけすれば済む治療です。私たち治療を行う者や患者さんご本人からすれば、1度の治療で済むことはとても良いことなのですが、メーカーにとっては他の疾患のように繰り返し薬を使ったりするものと違って収益の見込みが小さくなってしまい、運営が難しい病気ということになります。
つまり、資本主義の原理に当てはめて考えると、少ない費用で効果が出る治療、しかも患者さんの人数が少ない病気の治療は、どんなに善意があってもメーカーから見ると経営リスクの大きな治療ということになります。角膜クロスリンキングを保健医療にするという試みは、そういう理由で10年以上ストップしたままです。
今後超高齢化社会になり医療費の増加が懸念されているこの時代に、このまま保険収載になるのをひたすら待っていたのでは何年かかるかわからないということで、別の手はないかと考えて私たちは法人を作りました。
クラウドファンディングで、たとえば500万円集まったすると、法人の運営経費を150万円とすると、350万円を患者さんの治療費支援に使うことができます。1眼につき5万円の支援をすると、70眼の治療費をサポートすることができます。もし、1500万円を使えるとするならば、300眼の支援をすることができます。
ちなみに、現在国内で角膜クロスリンキングは1眼につき15〜30万円程度の費用で行われています。件数は年間で700件前後と考えられます。全員の方に全額を支援をすることはできませんが、一部であれば(たとえば、1眼に月5万円など)可能ではないかと思います。なので、まずは進行が早く重症化しやすく、かつ本来であれば保険診療であればほとんど医療費の自己負担がいらないはずの未成年の方から優先的に支援したい、と現時点では考えています。
集まる金額がもっと大きければ、一人当たりの金額を増やしたり、支援する方の範囲を広げることができます。
この記事をお読みいただき、ご興味を持っていただけたなら、ぜひ下記リンクをご覧ください。
https://for-good.net/project/1001955
多くの方のご支援をお待ちしています。

先進的な技術があれば治るをモットーに、円錐角膜治療で進行を止めるための角膜クロスリンキングを日本で初めて導入した実績があり、国内の角膜クロスリンキング手術を牽引しています。また新しい角膜内皮移植DMEKの執刀ができる数少ないドクターの一人です。